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マイクケーブル自作

防音ブースを作ったもののマイクケーブルの長さが全然足りてない事実に気が付いたのでこの際自作してしまうことにしました。自分で作ればかなりのコスト削減が出来る上に知識とノウハウのおまけがついてくるので頑張りませう。既製品ではありえない組み合わせや自由な長さに作れるところなんかもメリットですネー。


XLRシールドってナニさ?
マイクケーブルとXLRケーブルは同じ物です。音楽家のかたならケーブルよりシールドと呼ぶことの方が多いかもしれませんが、シールドとは本来シールド構造(伝導性のある線材で網状にケーブルを包むことで電波などからのノイズを防ぐ構造)のことなので、マイクケーブルをマイクシールドとかXLRシールドとか呼ぶのは多分和製英語じゃないかと思います。

マイクケーブルとギターのシールドとの決定的な違いはギターシールドが+(ホット)と−(コールド)の2本の配線になっているのに対し、マイクケーブルでは更にもう1本本アース(グランド)線を含んだ3本で配線されるようになってます。詳しくどういう仕掛けになってるのかは良く分かりませんがw この3本目のグランド線によって長く引き廻してもノイズが相殺されるようになっているそうです。(ノ゚听)ノびっくり!!


必要なパーツ
NC3FXBAG NEUTRIK社のXLRプラグ(メス)です。XLRプラグはITTという会社の作った規格ですが、原音に忠実で世界の定番になっているのはNEUTRIKです。因みにこれがオス

SWITCHCRAFT 297 SWITCHCRAFT社のステレオフォンプラグ。バランス接続のフォンプラグにはこれを使います。XLRはNEUTRIK、フォンプラグはSWITCHCRAFTで決まり! 原音に忠実で元気がいい印象の音。ちょっと高いので手が出ない時にはCANARE F16 で妥協するか、バランス接続を諦めてSWITCHCRAFT 280 でアンバランスにしてしまうといいと思います。

belden 8412 BELDEN社の8412、海外のレコーディングスタジオで大定番の2芯シールド線です。よく音が太いとか艶っぽいとか言われていますが低音から高音までかなりのフラットな特性です。きっとCANAREと比べるからそういう批評を受けるんだと思います。よくギターシールドに使われたりしていて、特にベース用として評価が高かったように記憶しています。導線には錫メッキの無酸素銅が使われているそうです。

CANARE L4E6S CANAREのL4E6S、国内の殆どのスタジオで使われている基準的存在。この線は倍音が発生しないのが特徴だそうでそれでいてフラットなところが凄いのだそうな、それはさて置きCANAREの一番の長所はなんといっても安い! ギターシールドでもCANAREがイイって言う人がよくいますが私の印象では良くないデス。

無鉛銀ハンダ 音質にこだわるならハンダにも気を使いましょう。最低でも無鉛ハンダ、予算に余裕があるなら是が非でもKester 44を買ってしまいましょう。オカルトパワーで音質アップ(笑)


BELDEN 8412 で自作
早速BELDENの8412を使ってXLRケーブルを作ってみようと思います。プラグはNEUTRIKのNC3FXBAG、ニッケルメッキの黒いのです。シルバーやゴールドでメッキされたのもありますが値段が張るので却下。金とか銀の方が良い音しそうな気がしてしまいますが、消してニッケルメッキが劣っている訳ではないようです。銀は高域が延びてきらびやかだけど反面冷たく硬い音、金・銅は逆に高域が減衰して暖かく丸い音になる傾向があると言われています。

hspace=10 届いたNEUTRIKのプラグを出してみると、ハンダで結線する金具部分が以外なほど簡単なつくりでビビリました。ちょっと窪みがあるだけで結線の強度はハンダ付け次第なようです。それにしても音がいいにしてもあまりにも色気が無いデザインですね、ストラトのギターみたいに見慣れてるうちにカッコよく見えてくるんだろうか( ´△`)


hspace=10 まず一番最初にこの2つのパーツを通しておきます。半田でプラグをつけてしまってからでは通せないのでココを忘れるとそれはそれはエライことになりますよ(汗 せっかくつけたハンダを溶かしてプラグを外さないといけないので、熱でプラグが痛むわ無駄にハンダが残るわエライ事です...orz


hspace=10 次にいよいよ加工に入ります。一番外側のゴムだかビニールだかの被膜をハサミかカッターで切れ込みを入れて剥がします。適当に力を入れて何周か回転させているといい感じに溝が入るのでソコから爪を入れると綺麗に剥がせます。力を入れすぎて中の導線を傷付けないように注意して下さい。

うまいこと剥がれると写真の状態になります。綺麗な網状になっていてちょっとウキウキですが、このままではピンに繋げないので爪楊枝かなんかでバラさないといけません。先のほうから徐々にほどいて行けば上手いこと行きます。この時に汗が付着すると半田が乗りにくくなったり伝導性が落ちるのでマメに手を洗って下さい。


hspace=10 全部解けるとこの状態。断線に対する強度の向上の為に入れられてる繊維が出てきますのでそれを根元からカットしてしまいます。この辺でどれ位凝った作りになってるかバレバレになってきますねw 決して音質と比例する訳ではないんでしょうがなんていうかメーカーの意気込みって大事よね( ̄▽ ̄)b!


hspace=10 無駄な繊維が無くなってスッキリしたら、シールド線をネジって一本に束ねます。あらかじめ半分ずつ根元をネジって2本にしておいてから1本にまとめていくとキレイに出来ます。それが出来たら、残り白黒の芯線の皮膜を最初と同じ要領で芯出しします。以上で準備OK。


hspace=10 いよいよハンダ付けです。プラグの結線するパーツを良く見ると3つの端子にそれぞれ番号が書かれています。1番にはシールド線を、2番には有色の芯線(8412の場合は黒)を、3番には芯線白をハンダ付けしていきます。昔は何番が何と決まっていなかったのですが今はITT社によって世界企画が出来ていて、1→アース(グランド) 2→プラス(ホット) 3→マイナス(コールド) と決まっています。

古い機材では稀に3番がホットになっているものがあるようですが、マニュアルに何番ホットか記載されている筈なので気になる方は確認してください。仮に3番ホットの機材だったとしてもその機材専用に片側が3番ホットになってるのを1本作ればいいのです。ソコんトコも自作の強みですねw

それはさて置きハンダ付けのコツも書いときましょ、最大のポイントは『半田ゴテでハンダを溶かすのではなくコテは結線部を過熱するだけ』ってトコです。ハンダとコテを接触させてはいけません。あくまでハンダは結線部の熱で溶かすようにすると、解けた瞬間に染み込むようにしてキレイに仕上がります。あとは『ハンダ付けする部分が汚れないように』とか『ハンダは必要最低限の量』とかに気をつけて火傷しないように頑張って下さい。


hspace=10 ハンダ付けが終われば出来たも同然! 後はあらかじめ通しておいたパーツと合体させれば完成です!!

最初に通し忘れてるともういっぺんプラグ外してやり直しって事ねw


hspace=10 おおぉ 渋いぞw  フルブラックがシックなBELDENケーブルの出来上がり(≧▽≦;)!

今回作ったのは3mです、パーツ類トータルでお値段は¥1730ナリw 市販品の3m は定価が¥4000なので¥2270もコスト削減(>v<)!


早速使ってみる
一番肝心なのは音だよ音、早速ブース内のアンプにいつものようにマイクを立てて使ってみました。まず最初の感想が「音太っ!て言うかこもってないか!? なんじゃこりゃぁ( ̄▽ ̄;)!!ガーン」因みにこの時の比較対照はそれまで使ってたHOSAのCMK015。思わぬ展開に慌てふためく俺「むむぅ...これは前評判に騙されたのか?」あたふたしながらもアンプのセッティングを確かめにブースの中へ...

「ヒィィィィ( ̄Д||||!!」なんと吸音されていないブース内では音が反響しまくって(特に低音)全く同じ音が鳴っているではないか!

結論、BELDEN 8412は嘘がつけないくらいにハイレンジなステキケーブルでした...orz その後6時間ほどセッティングを研究して完璧な音が取れるマイキングを身につけましたとさw 音圧のパワー感と艶っぽい高級感がウリ、日本人好みかどうかは怪しいですがオススメです。


 
 
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